12BY7Aカソードフォロア出力アンプ



【カソフォロ出力とH-K耐圧】


16A8は三極・五極の複合管です。これでカソフォロ出力アンプを作ったのですが、ヒーター・カソード間耐圧がキビシイことが判明してしまいました。カソフォロ出力ですので、終段16A8(p)のカソードは数百Vp-pでスイングするからです。ヒーターとカソードを接続して直熱管のように扱えばこの問題を回避できますが、悲しいかな16A8は複合管、初段16A8(t)とヒーターが共通、結局複合管ではH-K耐圧の問題を回避できないわけです。

○H-K耐圧の範囲内で使用する
○左右を別ヒータ巻き線とし、複合管は使用しない

カソフォロ出力アンプではこのようなヒーター対策をとる必要があることに気付いたわけです。


【12BY7Aの採用】

まあ、どっちみち16A8はもう十分堪能したし、気分を変えたいということもあり、以前から評判を耳にしていた12BY7Aで全面作り直しをすることにしました。12BY7Aはテレビのビデオ回路用の球です。平板状のプレートを持ち、音質的にも手作りアンプの会で大変評判が良い球です。一方、12BY7Aは八重洲FT101、トリオ(現ケンウッド)TS520などのアマチュア無線機にも採用され、アマチュアにはおなじみの球です。私自身もFT101はアマチュア無線を初めた頃によく使いましたから、12BY7Aには親しみを感じますね。
12BY7Aはアマチュア無線用の需要のほかにオーディオ用途もあるようで、市中では比較的高く売られています(2000円前後)。マッキントッシュの初段にも採用されているのではなかったでしょうか。しかしながらテレビ用に大量生産されたためか、入手は現在でも容易です。国産こそさすがにあまり見ないですが、GE製などは新品がどこにでも置いてあります。また中古品であれば国産品でもたまに安価に入手できます。当面なくなることはないと思います。

私は何種類か12BY7Aを持っていますが、今回は東芝マツダの中古品を利用しています。松下やGEなどと差し換え試験もしてみたいところです。

12BY7Aについては、林さんの「日本の古いラジオ」に類似管や歴史を含めた大変詳しい解説があります。


【製作】

16A8カソフォロアンプを5月の連休の最終日にバラし、次の週末に12BY7Aで配線しなおし、そのまた次の週末にカソード抵抗を微調整し、あっという間にできてしまいました。
回路構成はおおむね16A8カソフォロアンプと同じですが、初段を16A8(t)から石にし、また終段のスイングはチョークではなく別電源引っぱり下げを採用しました。また、2段目(2SA1413)のエミッタのコンデンサを採用しないことにしました。これは発振対策のためオープンループゲインを下げたためです。
終段グリッドの入力抵抗(120Ω)には、な、なんとA&Bのカーボン抵抗を採用してしまいました(もらいもの)。それから、出力トランスには春日54B-57を採用しました。これは1個2000円弱ですが、大変コストパフォーマンスが良いトランスに思えます。
電源回路/終段G2ドライブ回路は、16A8アンプで用いていたものをそのまま用います。

12BY7A Cathode Follower Output Amplifier

電源回路は、+B電源、ヒーター2巻き線、G2ドライブ用別電源、終段ドライブ用負電源と、都合5巻き線です。シャーシ内外に電源トランスがゴロゴロしていて、大変です。

Power Supply

【試聴】

音はクリアで、シンバル/パーカッションなど良い感じです。

12BY7Aカソフォロアンプ

田村さんの家で平面スピーカーに接続して試聴中。12GN7A差し替えテスト中。出力トランス左の不審なが「佐久間アンプみたい。」(××さん談)
トランスは、左からZT-03ES、J-61W、CH-515、54B-57×2。

May 15, 2000



戻る