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16A8カソードフォロアアンプ(その2) |
【さらなる低出力インピーダンス実現のためのNFB】
この頃、宇多さんから「電流アンプ」という言葉を伺いました。電圧成分が電流成分に対して小さいアンプ、つまり出力インピーダンスが小さいアンプというわけです。
超三アンプ・カソフォロアンプでかなり下がった出力インピーダンスをさらに低くできないでしょうか?
ひとつの手としては、BMの会の皆さんがよくなさっているトランスのパラレル接続があります。これによりトランスで損る分を少なくすることができます。
NFBループを別に設けることはできないでしょうか。超三には「岡本式NFB」と呼ばれている別途のPK-NFBの方法があります。具体的には、宇多さんの6AS5アンプや高橋さんの6CL6アンプなどで採用されいています。
カソフォロの終段を使用した上で更にうまくNFBをかけられないかと思い、差動アンプを中心に試行錯誤を繰り返しましたが、なかなかうまくいきませんでした。熱ドリフトも、高電圧回路であるためかなり大きく、また手持ちのトランジスタではバイアスの関係から直結回路を構成しづらく、コンデンサをできるだけ排するためトランジスタの数を増やしたところ16A8(t)の置場所がなくなってしまいました。電源回りと思われる発振もあり、対策に苦労しました。トランジスタが6個/Chになってしまい、何をやっているのかわからなくなってしまいました。しかし迫力を増した音をあきらめることはできませんでした。
2週間ぐらい格闘するうち、ふと球-PNP-球でレベルシフト直結にし、終段から初段にKK-NFBする方法に気がつきました。「NFBといえば差動」という固定観念にとらわれていて、一番簡単な方法になかなか気がつかなかったのです。
わかってしまえば早いです。
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Direct Coupling Amplifier with Cathode Follower Output Buffer and NFB
Cathode follower circuit can follow various driving amplifiers. In this case, I used two stage level shift direct coupling amplifier to make NFB simple. DF@8ohm was over 7 with single(not parallel as shown) output transformer. The energy gap of Rolm's SLR342MC is 1.9V approx.
んー、単純明解。
聴感上も、迫力が更に増しました。この回路では、OPT1個だけの場合にダンピングファクター7.2を得ました。終段(16A8)μ=1とT8501個との組み合わせではダンピングファクターはおおむね6どまりですので、NFBの効果1.2が出ているわけです。田村さんの家の平面スピーカをお借りして鳴らしたところ、低域の迫力はかなりでした。
一方で、課題も出てきました。超三の終段を三結にした頃から気付いていたのですが、高域がイマイチなのです。いろいろ考えたのですが、結局のところなんらかの方法で終段を五結化、ないし高域を改善する方向で動作モードを変更するしかないと思うようになりました。
【カソフォロの五結化】
カソフォロの五結化にはいくつかの方法が考えられますが、おおきく2種類の方法があることがわかりました。
Alternatives to Make the Final Tube Act as Pentode
I choosed (B).
(a)はコンデンサを用いて交流的にG2-K間をショートしてしまう方法。(b)は別電源でバイアスしてしまう方法です。
今回は(b)の別電源による方法を用いました。ツェナーダイオードを用いてバイアス電圧(約200V)をつくり、エミフォロでG2をドライブしています。電源回路にも若干の回路変更を加えました。高圧ツェナーは内部抵抗が大きいので(といっても数十〜数百Ωと思いますが)、少し過剰仕様ですが2SA1413で定電流バイアスしました。
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Cathode Follower Output Version Two
I applied voltage regulating circuit to bias the screen grid. Ordinal power supplys may be utilized for biasing, but need two separated windings/rectifiers/regulators for stereo operation. 2SC3840 has 600V Vceo/Vcbo and >30 hFE ratings. RD51E is a 51V Zener diode from NEC.
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Power Supply for Cathode Follower Output Version Two
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Cathode Follower Amplifier |
| 100V-115V transformer for G2 driving circuit is shown.(the third from left) Photo by Mr. Tamura. |
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Second Stage PCB |
I put tiny copper plates to cool transistor(2SA1413)s because they were pretty hot. The transistors are normaly for surface mouting usage but soldering was easy. |
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G2 Driver PCB |
| Mouted in the chassis under the output transformers. |
以上の回路で田村さんの家で開催されたミニコンサートに出品。皆さんからは「まとまった音」という評価でした。
カソフォロ終段は、三結と五結のどちらが聴感上良いのでしょうか?これは人・場合によると思います。私は五結が気に入りましたが、簡単なので、三結/五結の切り替えスイッチをつけるのは良いアイディアだとも思います。
【動作点調整等】
以上のようにいろいろやってきた16A8プロジェクトですが、一応このカソフォロ接続の段階でBMコンサートに出品することにしました。
まず、各増幅段の動作点を調整し、電流を多めに流すようにしました。終段グリッド電位は約110Vとしました。併せて、電源回路の強化も行いました。電気的に非常に非効率です。2段目(2SA1413)のコレクタを別電源で引っぱり下げるようにするとよいかもしれませんが、今回は実験を見送りました。それから、OPT 1次側を7KΩタップを使用するように変更しました。
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Cathode Follower Output Version Three |
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Power Supply for Cathode Follower Output Version Three |
【チョークドライブ】
さて、カソフォロアンプで問題になるのは、十分な出力がとれないことです。アンプ入力電圧-出力電圧の関係をざっとプロットしたところ、上記の回路で0.8W程度しか出ません。結局のところGND〜+B電圧より狭い範囲でグリッドをスイングせざるを得ず、この状態で出力を稼ごうとすると終段カソード電圧を上げて電流を流すようにせざるを得ず、とても非効率です。
BMコンサート後の実験の結果、カソフォロのドライバー回路を工夫すればこれは解決可能な問題であることが分かりました。ドライバー段(2SA1413)をチョーク負荷にすればよいのです。これで約2Wの出力が得られることがわかりました。テスターしか持っていないので測定がいいかげんですが、負荷条件が必ずしも最適値ではないことを考慮すれば、これは6BM8のアンプとしては一般的な数値に思えます。
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Cathode Follower Output Version Three (Choke Drive) |
| The final circuit of my 16A8 project. Truely I enjoyed, and am enjoying its sound! |
小さい、良いチョークコイルがないので、東栄変成器のT650という小型トランスの一次側のみをチョークとして用いています。あわせて終段動作点も変更し、終段カソード電位を75Vとしました。
今回はシャーシのスペースの都合上チョークを用いましたが、この調子だと、別電源でコレクタを引っ張り下げるのもうまく動きそうです。別の機会に実験してみたいと思います。
皆さんもカソードフォロア出力、ぜひ追試してみてください。
Oct.17,1999