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6080 "Inverted Tube Operation" OTLアンプ



【何ですか、それは】

Inverted Tube Operationという球の動作モードが存在するということを小川さんに聞いたのは、もう3年ぐらい前でしょうか。これは簡単に言えば、プレートをグリッドとして使い(6080の場合)対カソード-70V程度に引っ張っておき、グリッドをプレートとして使いプラス電位として電流を250mAぐらい流し、プレートを大振幅でスイングし、グリッドから出力信号を取り出そうというものです。出力端子が低電圧になりますので、簡単に真空管OTLが実現できるわけです。

詳細はSteve Bench氏のファイルを参考にしてください。

要するにローμの、もともとどっちがプレートでどっちがグリッドだかわかんないような球を持ってきて、プレートからマイナスの強い電界をグリッドの網目のすき間に浴びせ、グリッド電流をコントロールしようということです。

そんなムチャクチャな。。(^^;

プレートはマイナスですので電力は消費せず、そのかわりグリッドで電力を消費することになります。




【6080 Inverted Tube Operation】                  

Bench氏は6080のEg-Ig特性曲線を実測しています。これを参考にして、アンプを作ってみましょう。

設計上の制約になるのは、グリッド損失とカソード電流の最大定格です。カソード電流には、通常の動作モードと同様、2ユニットで250mAが想定できます。見当がつかないのがグリッド損失ですが、Bench氏は「通常は熱いプレートの近くにあるが、Inverted Tube Operationではプレートは冷たいため」両ユニットで6Wと推定しています。グリッドはプレートよりも熱いカソードの近くにあることをBench氏は忘れているような気がしますが、先達にならって私もこれを忘れることにします。ズバリ、Eg=24V、Ig=250mA、Pg=6W(いずれも2ユニットで)を見当に設計を進めます。

プレートのスイングにはオープンで100倍もすれば十分なので、ハイゲインの差動増幅器単段で済ませてしまいます。手持ちの2SJ103のGmを4mA/Vとすれば82KΩの負荷でおおむね160倍となり、ちょうどよい感じです。もう少しオープンのゲインがあっても良いのですが、その上となるとGm=22mA/Vの2SJ74になってしまい、これは大きすぎるので、2SJ103で妥協します。

では回路図

電源は3系統ともレギュレートしてあります。
8Vの電源が電圧が足りなくてリップルが残ってしまったので、東栄さんのトランスの1次側を使ってちょいズルして電圧上げてます。。(^^;

6080 Inverted Tube Operationアンプ
ユニバーサル電源から低圧電源とAC100Vを供給しています。


【試聴】

最大出力250mW程度ですかね。まあ家で聴くぶんには不自由ありません。

音は、変わった音はしません。音質的には、やはり初段にはもうちょいオープンのゲインがあった方がいいように思います。通常ならもう少し大きなGmのFETとか、バイポーラなどに取り替えて実験してみるところですが、ベタアース構成の初段部分の配線が超込み合っていて、いまさら手を入れる気がしません。まあ仕上がりゲインの不足はないので、とりあえずよしとしましょう。

今回は電源の安定化のほか、熱ドリフト対策にもそれなりに力を入れ、非常に安定したアンプに仕上がりました。オープンのゲインも僕のアンプにしては小さいので発振する気配すらなく、ノイズも皆無で、いまいち物足らない気さえします。やはり発振だのドリフトだのわけわからんスパイク性のノイズだのと紙一重のスリリングなアンプが、作っていて面白いですなぁ。(僕は)

基本的には三極管特性ですので、歪みが少ないみたいで、ゆったりとおおらかに鳴り、非常に聴きやすいです。オーディオショップで鳴っている高級ステレオのような、とにかく安心して聴ける音です。うちのアンプ群のなかでは好評価の部類といえます。さっきFMを聴いていたら松任谷由実とかかかってましたけど、まさにベストマッチングな感じでした。OTLですので低域もバッチリです。

ただ、とらねこアンプ特有の音質的毒味がいまいち不足している、ともいえます。

それにしてもグリッド損失の最大定格が気になるところです。なんか、6Wだとグリッドがカナーリ赤くなるみたいです。やばいなぁ、、、、^^);

まあ、しばらく様子みてみましょう。。。

ところで、Inverted Tube OperationのGP(GGのような物)やカソフォロなどという物は存在するのでしょうか。。。うーむ、、(´〜`)

Jan.3, 2004


改めてBench氏の別のページを眺めていたら、オーバーヒートしないグリッド損失として5W、8W以上はまずい、と書いてありますね。少しぐらい赤くなっててもいいみたい、、??

こっちのページでは、6080 12ユニットパラのシステムとか作ってます。面白いなぁ、、、
6C33C-Bとかもっと低電圧で大電流の動作点になりそうですから1本でも1W以上とれそうだし、テレビの水平出力管(G2〜3とプレートを全部接続)でもできそうな気がします。。
もっとも、グリッドの許容損失と、球の規模やカソード電流最大定格は、必ずしも比例するとも限らないでしょうなぁ、、

この手の損失の最大値ってどうやって決めてんだろ。。。

うーむ、、、

Jan.5, 2004



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