6384パラシングルカソフォロ出力アンプ



【大きいのを作る】

16A8、12BY7Aと、小さな球をいじってきたのですが、小さい球のアンプを外に持ち出すといきおいパワー不足が気になってしまいます。そこで、外の広いところに持ち出してパワーを出せるアンプを作ることにしました。
今回は一般的なオーディオ用のトランスを用います。通常のオーディオ用トランスを用いてもカソフォロ出力アンプは可能であることを実証することを製作目標としました。また、シャーシを塗装するなど、それなりに外見に気をつかったつもりです。


【6384】

さて、人気のある多極管には6L6系ビーム管とEL34系の5極管があるように思います。今回は6L6族である6384を用いつつ、のちにEL34にも対応が可能なように製作をすすめました。この場合気をつけなければならないのはG2電流です。EL34では6L6系より多くG2電流が流れます。そこで、あらかじめG2ドライブ用トランジスタの放熱版に余裕を持たせて大きいものを使う等の対応をしておきます。

BendixのAPPLICATION NOTESによると、6384の動作例は以下のようになっています。本アンプでは、Plate Voltage = 410V、Plate Current = 50mA、Power Dissipation = 20W(各1本あたり)を見当に動作させています。かなり余裕のある使い方といえます。ほんとうに25Wを突っ込むと、Tung-solの6384は(CETRONは未実験)プレートが薄赤くなります。

OPERATING CONDITIONS

RATING OR CHARACTERISTIC

CONSERVATIVE

TYPICAL

MAXIMUM

Heater Voltage

6.3 V +-2%

6.3 V +-5%

6.3 V +-10%

Plate Voltage

300 V dc

500 V dc

750 V dc

Screen Voltage

200 V dc

275 V dc

575 V dc

Peak Plate Voltage

600 V

1000 V

1500 V

Plate Current(Av.)

70 mA

50 mA

40 mA

Screen Current(Av.)

3 mA

4 mA

6 mA

Power Dissipation

21W

25 W

30 W

H-K Voltage

200 V

300V

450 V

Grid Resistance

25,000 ohms

75,000 ohms

100,000 ohms

Bulb Temprature

200 C

250 C

300 C

Atitude

0 - 20,000 '

60,000 '

60,000 '

Vibration

2 G

5 G

10 G

LIFE EXPECTANCY

MAXIMUM

HIGH

MEDIUM

6384

左:CETRON(Bendix製?) 右:TUNG-SOL


【回路】

12BY7Aアンプの単純なスケールアップです。前段の半導体セクションは全体的にアイドリング電流を少なめにし、そのかわりG1ドライブにエミッタ・フォロアを入れました。これにより終段グリッドのインピーダンスを下げています。

特に変わった部品は使っていませんが、6384のグリッドには手作りアンプの会の外人メンバーWendellさんにいただいたA&Bの120Ωを投入しました。また、回路図にはあらわれていませんが電源の平滑コン直下の+BとGNDが集まるハブの部分に、某ビンテージオーディオショップのご店主から無料でいただいたベルデンのスズメッキ線を採用しています。

今回は節電のため、終段カソードのC/Rをとりやめてみました。半導体で直結にしているのでだいぶ熱ドリフトがありますが、電源を入れて15分も運転していると安定してきます。完成(2000/06)後、現在夏期耐久テストを実施中ですが、問題はないようです。

Amplifier Section

電源回路はTANGOのトランスを用い、かなりトランスの数を減らせました。たくさん巻き線がある両波整流の電源トランスはカソフォロ出力アンプではありがたいものです。
6384は十分なヒーター〜カソード間耐圧がありますが、EL34への差し換えを前提に、例によってヒーターをL/Rで別けてあります。

Power Supply Section

【試聴】

出力トランスのTANGO XE60はすばらしく、低域がブンブンいいます。東栄や春日の安トランスにはまねのできないところです。

6384 Cathode Follower Output Amplifier

July 3, 2000


【後日談】

初段を2SC3632から2SC5201に変更しました。この2SC5201、耐圧600VでhFE>100と、なかなかの優れものです。初段のカスコード化を考えていたのですが手間が省けました。

2001 May



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